おすすめ猫漫画


 ということでお気に入りを2冊。五十嵐大介さんと伊藤潤二さんによる猫漫画。絵のうまい作家さんが本気出すと正直手に負えませんね。


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 ▲五十嵐大介著「カボチャの冒険」(竹書房)
 私の勝手な想像ですが、おそらく五十嵐さんはスケッチ派ですね。常にスケッチブックを持ち歩いて猫の表情や仕草を観察していて、原稿の際にはそれを見ながらもう一度描くみたいな、そう画家に近い印象です。

 内容は東京で暮らしてたときに拾った猫のカボチャと作者五十嵐さんとの田舎暮らしの日々を描いてます。カボチャかわいいです、まるで生きてるようです。何度でも読み返して楽しめます。おすすめです。五十嵐大介さんも猫のヒゲ描かないんですね、ちょっと親近感。

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 ▲伊藤潤二著「伊藤潤二の猫日記 よん&むー」(講談社)
 エッセイ漫画を描く場合、自分の周辺の人の容姿をどう表現するか結構悩みの種だったりするんですが(大抵は当たりさわりなく描く)伊藤潤二さんの場合はホラー作家ということで主要な登場人物はホラー漫画タッチで描かれてます。最初読んだとき、やられた~と思いました。最愛の奥さんが白目ですもん(笑)ここまでいくと誰からも文句言われないような気がする。

 伊藤さんは元々猫好きだったわけではなく結婚を機に奥さんが連れてきた猫と暮らすようになったんですが、その辺のことが面白おかしくホラー風に描かれていて非常に笑えます。ねこじゃらしで猫の気をひこうとして相手にされないというエピソードがあるんですが、このシーンの猫の表情がホントおかしくて、読み返すたびに声を出して笑ってしまいます。

 で、猫の表現も驚異的に上手いです。食卓の上でつまみ食いを阻止しようとする作者の手を「よん」がぐいぐい押し返す図なんて、あんなに的確に描いたのって伊藤さんが初めてじゃないだろうか。

 以上2冊。猫漫画好きならとっくに読んでるかもしれませんが、そこをあえて紹介してみました。未読の方は是非。


Posted: 金 - 7月 17, 2009 at 08:23 午後