私的・墨つぼの使い方


 アフタヌーンの読者プレゼントで「墨つぼ」が当たった方からコメントがありまして、ああそういえばそういうものを作ったなあと押し入れの奥から引っ張り出してきました。普段から墨つぼは使ってるんですけど、アフタヌーンの墨つぼは人にあげちゃって手元には1個しか残ってなくて、しかも陶製なので、うっかり割らないようにしまってあるんです。


画像・アフタヌーン墨つぼ1

 ▲これが4年前に講談社月刊アフタヌーンの読者プレゼント用に作った墨つぼ。蓋のデザインがアレだったり、アフタヌーンの文字が適当なのは、漫画が元ネタだから。

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 ▲元ネタの墨つぼ漫画です。2001年冬号コミッカーズの「画材開発研究コラム」という企画で描きました。アフタヌーンの墨つぼが適当なデザインなのは、この漫画のノベルティー用のやつを再現して作ったからです。こんなことならもっとかっこ良く描けばよかった。

 墨つぼの利点は、墨汁(インク)の劣化と、意外と神経と使う「ペンに墨汁をつける作業」が楽になって原稿に集中できる点です。劣化については、墨汁を別の容器に必要なぶんだけ小分けにして使うのと、墨汁本体の容器の蓋を何時間も開けっぱなしにして使用するのとでは、1日放置したコーヒーカップの飲み残しを観察するまでもなく歴然だと思います。

画像・アフタ墨つぼ2

 ▲アフタヌーン墨つぼの蓋を開けたところ。試作品チェックのときに、上蓋がもうちょっと薄くて軽くならないかとお願いしたんだけど、読者プレゼントはあらかじめ予算が決められているので、製作過程でコストがかかるから無理という事でした。でも結果的には、この重い上蓋は墨つぼのちょうど良い台座になるのでかえって良かったです。怪我の功名。

画像・アフタ墨つぼ3

 ▲オリジナルの蓋は墨つぼの台座にしてしまったので、上には「るつぼ」の蓋をかぶせました。

画像・るつぼ

 ▲で、これが「るつぼ」です。東急ハンズの理科教材コーナーで買ってきました。いろんな大きさのるつぼが売ってるんですが、アフタヌーンの墨つぼの蓋に最適なのは、いちばん小さいタイプ。値段は100円前後?

画像・アフタ墨つぼとるつぼの蓋

 ▲墨つぼの蓋は重要な役目を持ってます。ホコリと水分が蒸発しないように、作業中何度も開けたり閉めたりするんで、軽くて開け閉めが簡単じゃないとダメなのです。

画像・水と墨汁の補充ミニボトル

 ▲ペン入れ作業してると、少しずつ墨つぼの墨汁が減っていって、水分も蒸発していきます。なので手元に水と墨汁の入った補充用ミニボトルを用意しておくと便利です。これも東急ハンズの理科教材コーナーで調達してきたもの。

画像左・ボトル入り開明墨汁 画像右・ロングスポイト

 ▲開明墨汁はボトル入りを買ってます。直接墨つぼに注げるので楽なのです。でもウチの田舎ではなかなか売ってません。使い切るまでに2年くらいかかるからあわてて買う必要も無いんだけど。で、右の写真はさっきの墨汁用のミニボトルに小分けするためのスポイトです。これも東急ハンズ。たぶん理科教材か化粧品のコーナー。

画像左・墨つぼ蓋開け 画像右・墨つぼペン挿入

 ▲実際に墨汁を入れてみました。好みの高さまで墨汁を入れて、浸けペンする際はペン先が底に当たるまで差し込みます。非常に楽です。

画像左・ペン先 画像右・墨つぼ蓋閉め

 ▲ペン先のアップ。自分的には、だいたいペン先1cmくらいが好みです。蓋はこまめに閉めます。タバコ吸ったり、トイレに行ったり、消しゴムかけたり、ちょっと考え事をするときなど、ペン入れ作業に関係ない時間は常に閉めておきます。(あ、タバコは現在はもうやめてます)

 で、水や墨汁を足しても、細い線がかすれたり、線の伸びが悪くなった場合は、墨つぼをきれいに洗って、新しい墨汁を補充します。自分の場合は1週間くらいは大丈夫だったと思います。本体容器の墨汁は2年くらい経過してもまだ普通に使えてます。

 ということで、漫画画材メーカーの企画担当のみなさま、ぜひとも「墨つぼ」というジャンルを開拓して頂けないでしょうか。おねがいします。(と、2001年からずっと主張してるわけだが、いっこうに売られていたためしは無く・・・)

画像・普段使ってる墨つぼ

 ▲これは自分が普段使ってる墨つぼ。無印良品で買った二種類のピルケースを組み合わせてます。


Posted: 木 - 2月 17, 2005 at 11:24 午後